船が運んでいるのは荷物だけじゃないんです

今週はかーしーが担当です。

 

突然ですが、みなさんは大型の船に乗ったことはありますか?

 

乗ったことのある人は見たことがあるかもしれませんが、たまに船の側面から水がどばーって出てくるのをご存じでしょうか。

 

実は、その水が世界中の海を汚しているんです...。

 

今回は、船が運んでいるもう一つの荷物について話していきたいと思います。

 

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https://www.projectdesign.jp/201408/water/001510.php

 

私たちの身の回りには、輸入品が沢山あふれかえっています。それらのほとんどは貨物船や飛行機で運ばれてきていますが、一方の貨物船が運んでいるのはそれだけではありません。

 実は貨物船は、空荷の状態で出向する時に、船のバランスをとるための海水を出発港から大量に積み込んでいます。そしてこの水は、世界中を移動した後、到着港にて排出されます。

 

この水、バラスト水と呼ばれていますが、問題がありありなんです。

 

まず、船が水を取り込む際、同時にそこにいる生物も水と一緒に取り込んでしまいます。そして、新しい環境に移動・拡散して、本来その地域に生息していない外来種として生態系を撹乱してしまうんです。

 

https://eco-word.jp/html/01_seitaikei/se-31.html

 

 1991年には、南米・メキシコ湾にどこかから運ばれてきたバラスト水中に、コレラ菌が含まれており、100万人が感染、1万人が死亡しました。

大勢の死者が出たにもかかわらず、どこから来た船舶なのか明らかになってない点が疑問ですが、これ以外にも世界各地で被害が見られています。

 

https://eco-word.jp/html/01_seitaikei/se-31.html

 

ちなみに、日本には年間約1700万トンが持ち込まれ、3億トンのバラスト水を世界中に運んでいます。

 

味噌汁でおなじみのわかめが海外で大繁殖し、嫌われ者になっているのもこのバラスト水のせいなんです。。。

 

これらの対策として、国際海事機構(IMO)により、バラスト水に関する規制条約がロンドンで2004年に採択されました。

 

それからなんやかんやいろいろ決められて、日本では、2017年9月8日に「船舶バラスト水管理条約」が発行されました。

 

具体的な内容としては、バラスト水処理システムの搭載義務と、処理基準が設けられたことです。

これらに対する水処理装置導入にあたっては、数兆円規模の特需が生まれるとされており、業界では受注争奪戦が予想されるとかなんとか.....

 

環境問題の裏には経済がつきものなんだなあと感じました。

 

以上、バラスト水問題についてのお話でした!

 

参考文献

https://www.mofa.go.jp/mofaj/annai/shocho/kokkai/index.html

https://eco-word.jp/html/01_seitaikei/se-31.html

https://toyokeizai.net/articles/-/47262?page=2