Micronesia News #5 【ハイブリッド・アイランド構想】

みなさま、お久しぶりです!

 

本日は日本語でブログを執筆します。担当は冬太が、Micronesia Newsをお届けします!🇫🇲💓🇯🇵

 

本日のテーマは、「ハイブリッド・アイランド構想」。菅政権は2030年の電源構成に占める再生可能エネルギー(再エネ)の割合を30%にすべきと、再エネの拡大に注力されています。また、新型コロナウイルスにより石炭などのエネルギー需要が減少しているなか、再エネ需要は高まっています。そんなホットな再エネを、島嶼国に導入できないか?このプロジェクトこそ、「ハイブリッド・アイランド構想」です。とてもユニークなプロジェクトなので、最後まで読んでいただけたら嬉しいです🌟

 

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〈ハイブリッド・アイランド構想とは?〉

第7回太平洋・島サミット(2015年)において、太平洋島嶼国のエネルギー分野への新しい支援策として、日本が発表したプロジェクトです。この構想のなかに、化石燃料消費量削減のためのディーゼル発電所島嶼国ではこれが主流)の運転効率化と送電線網接続型の再エネ主流化に向けた支援が謳われています。

 

 

面白いのが、対象国の広域さ。この支援は、ミクロネシア連邦🇫🇲だけでなく、フィジー🇫🇯、トンガ🇹🇴、マーシャル諸島🇲🇭、キリバス🇰🇮、ツバル🇹🇻、パラオ🇵🇼など太洋州各国への協力を進めています。

 

〈どうして再エネなの?〉

ディーゼルや石炭火力ではなく、なぜ再エネなのでしょうか?島嶼国では、気候が変動しやすく、供給が安定しない可能性があるのではないでしょうか?

 

もちろん、島嶼国は気候変動の影響を受けやすいので、再エネの供給は安定しないと言えるでしょう。しかし、今のディーゼル発電が安定とは限りません。ここがこのプロジェクトが推し進められている一つのポイントだと思います。

 

島嶼国は、輸入化石燃料による発電に大きく依存してきました。そのため、燃料の輸入コストや石油価格の変動が経済活動に大きく影響を与えることが懸念されていました。また、ディーゼル発電機はすでに耐用年数を超え老朽化しており、その他設備もシロアリや塩害に遭っています。エネルギーの転換、がそもそも求められていた背景もあるでしょう。

 

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(コスラエ州のディーゼル発電機)

 

温室効果ガス排出量削減と、エネルギー安全保障の強化をしていかねばならない時代だから、再生可能エネルギーの導入が進んでいるんですね。でも、結局安定しなければ、ディーゼル発電機のように老朽化していくだけでは?と思われる方もいらっしゃるかもしれません。

そこで、JICA(国際協力機構)はハイブリッド発電システムの構築を提案しています。これは、再エネの不安定な供給を、はじめは既存の発電システム(ディーゼルなど)で補い、やがて蓄電池や管理システムを構築することでより安定的な供給を実現しようという考え方です。だから、前述したディーゼル発電機の運転効率化や送電線網接続型に力を入れているのですね。

 

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〈どうして島嶼国なの?〉

再エネは世界から注目されており、ますます需要が拡大している分野ですが、島嶼国ならではの課題と、再エネの特徴が合致していることがあるので、最後に紹介したいと思います。

それは、「国土が狭く分散し、電気や水道などの社会サービスが行き渡らない」「国際市場から遠く、産業が育ちにくい」「自然災害や気候変動に脆弱」という島嶼国ならではの課題と、再エネの「分散型エネルギー」と「自国で発電可能」、「気候変動の主因である二酸化炭素を排出しない」という特徴がいかに合致しているかがわかると思います。

 

ここの整合性もプロジェクトをユニークにしている一つの要因だと考えています。

 

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いかがでしたでしょうか?本日は、日本でも注目されている再生可能エネルギーの可能性について、ハイブリッド・アイランド構想という考え方からブログを執筆してみました。このプロジェクトには、沖縄の多良間島の再エネ拡大をモデルケースにしており、沖縄電力や沖縄エネテックなどの日本企業も協力しています。日本との繋がりや、島嶼国の特色が感じられる国際協力で、とても面白いと思います。もしもっと知りたい、という方がいましたら、是非JICAがアップしているハイブリッド・アイランド構想の動画をご視聴ください。

 

https://www.youtube.com/watch?v=P9wECQBnltE&feature=youtu.be

 

コロナが収束し、ミクロネシア連邦へまた渡航できたら、このような日本の取り組みが肌で感じられると良いですね。最後に、JICAの無償資金協力で整備されたミクロネシア連邦太陽光発電の写真を添付しておきます。このブログから、少しでも再生可能エネルギーについて、島嶼国について、私たちの活動について興味を持っていただければ幸いです。以上、本日は冬太がお送りしました!🌱🌱🌱ここまで読んでいただきありがとうございました✌️💓

 

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